商品アイデアの素【068 “必要なら自ら創る”──剣菱酒造「木工部設立」に学ぶ、フリーランサーのための“価値継承×新規開拓”戦略が話題】

ヒットする商品には、ヒットする秘訣要素が必ずあります。

ヒット商品の秘話を参考例に、どのような要素が必要なのかを一緒に考えてみましょう。

今回は、剣菱酒造「木工部設立」を題材に考えてみました。

「守るために、創るという選択。」

兵庫県神戸市灘区にある老舗酒造メーカー・剣菱酒造。

ここでは、酒づくりに欠かせない「木桶」や「樽」などの木工製品が、熟練の職人によって今も手作りされています。しかしその技術を持つ職人は全国でもごくわずか。減少の一途をたどる中で、剣菱酒造は驚きの決断をしました。

それは──木工技術を絶やさないために、自社内に「木工部」を新設し、職人を社員として迎え入れること。さらに若手を配属し、技術を受け継ぐ環境を整えたのです。

必要な技術が世の中からなくなりそうなら、自らの中で育てていく。その姿勢は、フリーランスとして生きる私たちにも大きなヒントを与えてくれます。

今回は、剣菱酒造の“木工部設立”という決断から学ぶ、
「自分の価値を守り、未来へ活かす」ための5つの戦略をお届けします。

5つの視点で見るビジネスアイデアのヒント

1. 「必要だから、つくる」という逆転の発想

特徴： 外注先がなくなるリスクを前に、社内に木工部門を創設した剣菱酒造。外に頼れなくなったからこそ、必要な機能を社内に持たせるという逆転の発想。